伊豆の国市でお子さまの歯並びについてご相談を受けると、「矯正治療って高いんですよね。
健康保険が使えたら助かるんですが……」というお声を本当によく耳にいたします。
そこで今回は、令和6年度(2024年度)の診療報酬改定も踏まえながら、「子どもの矯正治療が保険適用になるケース」と「ならないケース」を、できる限りやさしい敬語でお話ししてまいります。
最後までお読みいただくことで、費用の心構えや手続きの流れがクリアになり、安心して治療をスタートしていただけるはずです。
まず大前提として、歯列矯正は原則として自費診療です。
とはいえ、厚生労働大臣が定めた一定の条件を満たす場合には保険が使えます。
ポイントは三つございます。 一つ目は「生まれつきの病気や症候群で歯や顎に強い障がいが出ている場合」。
具体的には唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やダウン症候群などを含め、現在では66の先天性疾患が対象になっています。
令和6年度の改定では、クリッペル・ファイル症候群や高IgE症候群など五つの病気が新たに加わり、対象がさらに広がりました。
二つ目は「永久歯が三本以上、普通にはえ出てこられないために、外科的に歯肉を開いて導く必要があるケース」です。
これも機能障がいレベルの重症度であることがポイントで、審美目的だけでは認められません。
三つ目は「顎変形症に対して外科手術を行う前後の矯正」です。
上下どちらかの顎が著しく発育し過ぎたり、逆に発育が足りなかったりして手術が必要な場合には、術前術後の矯正が保険適用になります。
こちらは口腔外科と矯正歯科が協力し、手術と矯正を一貫して計画する必要があります。
2024年6月の改定でもう一つ注目したいのが、「学校歯科健診で歯列・咬合の異常(2:要精検)と判定されたお子さま」に対する新しい仕組みです。
これまでは矯正の相談自体が自費扱いでしたが、年度内1回に限って相談料を保険で請求できるようになりました。
まずは気軽に専門家の見解を聞くハードルが下がった、とても意義深い改定です。
伊豆の国市では、中学3年生相当まで医療費を原則無料にする「こども医療費助成制度」が整備されています。
保険診療の自己負担分を市が肩代わりしてくれるため、前述の保険適用矯正に該当する場合は、実質的に窓口での支払いがゼロになる、または後から償還払いで戻ってくる可能性が高いのです。
受給者証や領収書を忘れずに保管し、市の窓口で最新の申請手続きをご確認くださいませ
1. 初診相談 まずは矯正歯科でお口を拝見し、レントゲンや写真、歯型などを取って診断いたします。
この時点で保険適用になりそうか、あるいは自費になるかを見極めます。
2. 必要書類の準備 先天疾患の場合は診断書や医療証、顎変形症の場合は外科手術計画書が必須です。
学校歯科健診経由なら「要精検」の判定用紙をお持ちください。
3. 届出医療機関での治療開始 保険で矯正を行うには、厚生労働省に届け出ている「自立支援医療機関」または「顎口腔機能診断施設」であることが必要です。
当院「ひだまりおとなこども歯科」は静岡県の届出医療機関ですので、ご安心ください。
4. 治療と市への助成申請
治療費の請求や助成制度の申請書類を提出してください
残念ながら保険適用にならなかった場合、伊豆の国市周辺での小児矯正の基本料金はだいたい35万〜70万円ほどです。
装置代、毎月の調整料、治療後の保定装置まで含めると、トータルで100万円前後になるケースもあります。
高額ではありますが、確定申告で「医療費控除」を活用すれば、10万円を超えた部分について所得税と住民税が軽減されます。
ご家族全員の医療費を合算できますので、レシートや領収書は大切に保管しておきましょうね。
矯正治療を始める・始めないにかかわらず、日々の生活習慣はとても大切です。
乳歯の時期からしっかり「よくかむ」ことを意識し、硬さのある食材をメニューに取り入れてみてください。
お口ポカン(口呼吸)は顎の成長を妨げますので、気づいたら口を閉じて鼻呼吸に戻す声かけも効果的です。
姿勢も意外と影響が大きく、スマホやゲームに夢中になると前かがみになりがちですから、30分に一度は伸びをして背中をまっすぐにしましょう。
仕上げみがきのときに、前歯の重なりや上下のかみ合わせを毎月チェックし、少しでも「あれ?」と思ったら歯科医院へお気軽にご相談ください。
・「保険指定ではない歯科で診てもらった後、別の医院に変えても大丈夫ですか?」
――診断が確定する前でしたら転院は可能です。
初診相談料の差額は自己負担になる場合がございますので、ご不明点は早めにご確認ください。
・「保険でもマウスピース矯正を選べますか?」
――申し訳ありません。保険診療の範囲ではブラケットや顎外固定装置など基本的な装置に限定されます。
装置の見た目が気になる場合は、自費でマウスピース矯正を併用する方法もございますので一度ご相談ください。
・「伊豆の国市の助成は高校生になっても続きますか?」
――中学卒業までが基本ですが、重度障がい者医療費助成など別の制度が適用されるケースもあります。
個別の状況によって変わりますので、お気軽にお問い合わせください。
子どもの矯正治療は「いつ始めるか」がとても重要です。
顎の骨が成長しているタイミングを逃さず治療を進めることで、抜歯を避けられたり、治療期間を短縮できたりすることが少なくありません。
ただ、費用面のご不安から治療をためらわれるご家庭が多いのも事実です。
令和6年度改定で保険適用の対象が広がり、さらに伊豆の国市の「こども医療費助成」を組み合わせると、条件次第では自己負担なしで進められるケースもございます。
「うちの場合はどうなの?」と気になりましたら、まずは学校歯科健診の結果や母子健康手帳をお持ちになり、保険相談だけでもお気軽にいらしてください。
当院「ひだまりおとなこども歯科」は地域密着で、保護者さまに寄り添ったサポートをお約束いたします。お子さまの輝く笑顔と健やかな成長を、一緒に見守ってまいりましょう。
この記事はひだまりおとなこども歯科 土屋泰樹が監修しました
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