お子様の歯並びや口腔の健康について悩まれる保護者の方から、「小児矯正は本当に必要?」「高額な費用をかけても意味があるの?」「矯正したのにまた戻ったという話を聞いて不安」といったご相談をいただくことがあります。この記事では、そうした不安や疑問にお応えするために、小児矯正の基本的な役割、最新の治療方法、そして治療を成功させるために知っておくべきポイントを、歯科医の視点からわかりやすく解説いたします。
「小児矯正は見た目のためだけ」と思われることがありますが、実際にはそれ以上に重要な意味があります。小児矯正の最大の目的は、「歯並びや噛み合わせの問題を早期に発見し、成長に合わせて最適なタイミングで改善を図ること」にあります。これにより、将来的に大掛かりな矯正や外科的処置が不要になる可能性が高くなり、本人の心身の健康にも良い影響を与えるとされています。
歯並びの乱れは、見た目だけでなく、噛み合わせの異常による消化機能の低下、発音の障害、顎の発育への悪影響など、多岐にわたる健康上のリスクを引き起こします。また、正しい噛み合わせは子どもの姿勢や呼吸、さらには学習効率や集中力にも影響を与えることが、近年の研究でも明らかになっています。
小児期に適切な咬合を育てることは、脳の発達や表情筋のバランスにも関係しており、将来的な集中力、感情コントロール、自己肯定感など、心理面にも良い影響をもたらすと考えられています。そのため、矯正治療を単なる「歯並びの修正」と捉えるのではなく、「全身の健康の土台づくり」として理解することが大切です。
「小児矯正は意味がない」と感じる方の背景には、以下のような誤解が存在します。
第一に、矯正治療が一時的な効果しかないという誤解です。確かに、矯正後にリテーナー(保定装置)を適切に使用しなければ後戻りのリスクはありますが、正しいフォローを行えば高い安定性が期待できます。
第二に、費用の問題です。確かに矯正治療は安価とは言えませんが、長期的にみれば、将来的な大人の矯正や口腔トラブルへの治療費を大幅に削減できる可能性があります。
第三に、適切な診断と治療計画がないまま矯正を始めてしまい、期待通りの効果が得られなかったケースもあります。これは医療機関の選定や情報収集の段階でミスマッチが生じたことが一因です。
また、一部では「自然に治ることもあるから様子を見よう」との声もありますが、これは専門的な診断を受けた上での判断が不可欠です。自然に並ぶこともありますが、成長とともに悪化するケースも多く、経過観察には専門家の目が必要です。
小児矯正は総額として50万円を超えることが多く、費用だけを見るとハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、重要なのは「費用に見合った効果が得られるのか」という視点です。
適切な時期に矯正を開始し、しっかりと保定・管理を行うことで、成長後の歯並びの問題を大幅に減少させることができます。また、予防的な意味合いが強い小児矯正は、将来的な口腔機能障害や歯周病のリスクを減らすという観点からも、費用対効果が高い治療といえます。
さらに、小児矯正により噛み合わせが改善することで、肩こり、頭痛、顎関節症などの全身的なトラブルのリスクも減るとされています。つまり、歯科の枠を超えた健康投資としても大きな意味を持つのです。
ひだまりおとなこども歯科では、小児矯正の費用は税込55万円です。この中には、初診・精密検査、診断、矯正装置、調整、経過観察、保定装置などがすべて含まれており、治療途中で装置が変わっても追加料金はかかりません。
当院の矯正治療は、お子様の成長発達や生活スタイルに合わせたオーダーメイド方式を取り入れており、歯並びの改善にとどまらず、口腔機能、姿勢、呼吸といった身体の基礎機能のバランスも重視しています。これは単なる美容目的ではなく、将来にわたって健康を維持するための「医療」としての矯正です。
加えて、当院では咀嚼力のチェック、鼻呼吸のトレーニング、舌の位置や動きの改善指導など、成長期に重要な口腔機能のトレーニングも積極的に行っております。これにより、矯正装置だけに頼らず、お子様自身が正しい習慣を身につけていくことを目指します。
当院には、日本矯正歯科学会認定医が在籍しており、厚生労働省の医療広告ガイドラインにも準拠した正確な診療情報の提供を行っています。治療前には必ず十分なカウンセリングを行い、保護者様と一緒に最適な治療方針を検討いたします。
矯正治療で後悔する主な原因として、治療効果が見られなかった、後戻りしてしまった、治療期間が長すぎたといったケースが挙げられます。これを防ぐためには、次の3点が重要です。
治療計画が明確であること
保護者とお子様が治療の意義と内容を理解していること
定期的な通院とフォローアップが確実に行われていること
また、セカンドオピニオンを活用し、複数の専門医の意見を聞くことも大切です。インターネット上の情報に惑わされず、実績のある医療機関でしっかりと診断を受けることが、後悔しない矯正への第一歩となります。
さらに、矯正装置の種類や日常生活への影響についても事前に理解を深めることで、お子様と保護者のストレスを減らすことができます。装置による食事の制限や口内の違和感は一時的なものですが、これを乗り越えるためのサポート体制も重要です。
小児矯正は、短期的な「見た目」の改善だけでなく、生涯にわたる健康維持や自信を育むという、非常に価値のある医療行為です。費用や治療期間に対する不安は誰しも感じるものですが、それ以上に得られる恩恵は計り知れません。
矯正治療によって整った歯並びは、清潔を保ちやすく、虫歯や歯周病の予防にも直結します。そして、整った口元は自信ある笑顔をもたらし、対人関係や社会的な自尊感情にも良い影響を与えることでしょう。
大切なお子様の未来のために、正しい知識と信頼できる専門医のもとで、最適な治療を検討されることを心よりおすすめいたします。
この記事はひだまりおとなこども歯科 土屋泰樹が監修しました。
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